三歳の時、我が家は既に歪み始めていました。
母親は暴力を振るいましたが、父親の前では何もしませんでした。
いや、出来ませんでした。
なぜなら、父親は母親に暴力を振るっていたからです。
母親は父親を恐怖の対象として見ていたのです。
父の暴力は僕ら子供には向けられませんでした。
父は自分なりに気をつけて子育てをしていたようです。
しかし、母へ暴力を振るう父を僕は敵として見ていました。
今分かる事ですが、それも母の作戦だったのです。
父が仕事で家に居ない時には僕ら兄弟は徹底した父の悪口を聞かされていました。
その結果、父は敵、母は味方という負の家族関係が出来上がっていたのです。
母からの暴力へは怯えていました。
しかし、父の暴力の方がもっと恐ろしかった。
男と女の力の違いをハッキリと認識していたのだと思います。
母からは家の事は絶対に口外するなと言われていたので、誰にも言えなかったです。
それが幼稚園に入る前までの僕の家庭でした。
まだ完全には崩壊しきってはいなかったのだと思います。
あんな事が起こる前までは。