あの夜から何日経ったのか、僕には分かりませんが気が付いたら顔の傷は治っていました。
記憶障害なのでしょうが、記憶が非常に曖昧・・・というか無いんです。
それでも、今も傷跡だけは残っていますが。
長兄はもう中学生になっていました。
イジメはエスカレートする一方でした。
その頃には服を切られるなんて当たり前でした。
体中アザだらけで帰ってきたり、歯が折られたり、教科書がズタズタだったり。
何が正常で何が異常なのか分かりませんでした。
あの時には長男は完全に狂っていたのでしょう。
ある夜、うなされる兄の叫び声で家族全員が起きました。
「やめろー!やめてくれえぇえぇえええぇぇええぇぇ!!!」
今でも頭から離れる事は無いです。
必死とはまさにアレを言うのでしょう。
次の日の朝、兄は普通に起きて学校へ行きました。
そして、学校から帰ってきた兄を見て母親は尋ねました。
学校で何があったのかを・・・。
もう転んだなんて嘘で隠し切れるほどのケガではありませんでしたから。
すると兄は
「うるせえええぇええぇぇぇええぇ!!!!」
と叫んで母親を殴りつけました。
家庭内暴力が始まった夜でした。