あれは兄をスパナで殴りつけ、大怪我をさせた夜でした。
両親は酷く僕を叱りました。
もちろん、暴力も一緒に。
怒鳴られながら殴られる僕。
あぁ、またいつもの感覚だ。
自分が自分では無い感覚。
今殴られているのは僕じゃないんだ。
「ただの喧嘩にしてはやりすぎだろうが馬鹿者!!」
覚えている両親の言葉はそんなものでした。
この時、僕は思いました。
この人たちは何を言っているんだろう?
今まで散々僕を殴りつけてきたのは長男とお前らじゃないか。
散々子どもの目の前で喧嘩をしてきたのはお前らじゃないか。
長男の暴力を無視し続けたのはお前らじゃないか。
耐え切れなくなった心が爆発したんだよ。
それをただの喧嘩だと?
殴られながら、ただ冷静にそう思っていました。
何も解かってない両親に激しい怒りを覚えました。
ただの喧嘩でスパナで殴るなんてありえないじゃないか。
何で家庭の事を、僕の事を無視するの?
僕は産まれてこなければ良かったの?
死にたかった…。
全てに絶望していました。
産まれて来た事、長男の僕への暴力の無視、激しく燃える怒り。
何もかもが壊れていたのでしょう。
ただ、死にたかった。
綺麗事なんて聞きたくなかった。
生きていれば良い事あるよ、なんて言葉なんか信じていなかった。
だって、今まで生きてきて良い事なんて何一つ無かったのだから。
そして、僕のリストカットが始まりました。