兄を殺し損ねた後の事でした。
僕のリストカットが始まりました。
理由は簡単です。
自分が生きている事を確かめたかったからです。
頭がおかしいと笑いますか?
なんでそんな事を疑問に思うのか不思議ですか?
その時の僕の状態は酷いものでした。
生きている感覚が無いのです。
これはとても大きな恐怖と不安を僕にもたらしました。
まるでロボットのように、感情なんて無くなってしまって、生きているかどうかさえも解からなかったんです。
誰にも言えない心の傷が限界を向かえたのでしょう。
何も嬉しくない。
何も楽しくない。
何も感じない。
感じるのは底なしの不安と辛さだけでした。
その辛さを紛らわす為に僕はリストカットを始めました。
自分で腕を切り、血が流れていく。
その時だけ生きて居る事を実感出来たのです。
頭がおかしいと言われればそれまでですが。
それだけが生きている証であり、痛みが僕に生きて居る事を教えてくれたのです。
涙を流す事が出来ない心が、代わりに血を流したのだと、今は思っています。
ただ、リスカで得られる安心感などは一時的なものであり、切り終えた瞬間からまた不安に包まれていました。
でも、それが生きる術を知らない13歳の子どもが出来る唯一の救いだったのです。
逃げる事が許されない家庭。
そんな中で潰された心が生き残る為には…それしかなかったのです。
リストカットは僕の日課となり、日を追うごとに傷は深くなっていきました。
腕は傷だらけになり、皮膚は硬くなっていきました。
毎日、多い時は30回以上切っていました。
その時は何とか生きている事が出来たのです。
これから、僕の本当の葛藤が待っているとも知らずに。