それはある日の放課後の事でした。
僕は担任の女性に呼び出されました。
「のり、ちょっと良いかな?」
いきなりの事に少し戸惑いましたが、僕は先生の所へ行きました。
担任は美術の先生でしたので、美術準備室という先生のプライベート空間に呼ばれました。
いつものように死んだような目で僕は椅子に座りました。
先生はココアを僕に差し出して
「飲みな。落ち着くから。」
と言いました。
何のことを言っているのか全く解かりませんでした。
黙って座っている僕に向かって先生は言いました。
「お前は何を抱えてるんだ?お前の目は悲しい色をしているよ。
私は美術の先生だから目を色で見るているの。
貴方の目の色は本当に悲しい色をしている。
失恋とかそんなレベルじゃない、何かを背負っている目の色だよ。
高校に来る前に何があったの?」
僕は…数秒黙ってから口を開きました。
「俺…リストカットしてるんです。
死にたいんです。
もう限界なんです…。」
先生は言いました。
「死んだら駄目だよ…。
今まで一人で辛かったね。
でも、もう一人じゃない、一人になんてさせない。
あたしが付いてる。
だからさ、ゆっくりで良いから生きていこう。」
僕が恩師と出遭った瞬間でした。