2007年7月7日土曜日

放課後の美術室

それはある日の放課後の事でした。

僕は担任の女性に呼び出されました。





「のり、ちょっと良いかな?」




いきなりの事に少し戸惑いましたが、僕は先生の所へ行きました。

担任は美術の先生でしたので、美術準備室という先生のプライベート空間に呼ばれました。

いつものように死んだような目で僕は椅子に座りました。

先生はココアを僕に差し出して





「飲みな。落ち着くから。」




と言いました。

何のことを言っているのか全く解かりませんでした。

黙って座っている僕に向かって先生は言いました。





「お前は何を抱えてるんだ?お前の目は悲しい色をしているよ。

私は美術の先生だから目を色で見るているの。

貴方の目の色は本当に悲しい色をしている。

失恋とかそんなレベルじゃない、何かを背負っている目の色だよ。

高校に来る前に何があったの?」





僕は…数秒黙ってから口を開きました。





「俺…リストカットしてるんです。

死にたいんです。

もう限界なんです…。」




先生は言いました。




「死んだら駄目だよ…。

今まで一人で辛かったね。

でも、もう一人じゃない、一人になんてさせない。

あたしが付いてる。

だからさ、ゆっくりで良いから生きていこう。」













僕が恩師と出遭った瞬間でした。