2007年7月26日木曜日

心は氷となって

サラリーマンと揉め事を起こした日、僕は普通に家に帰り部屋で呆然としていました。

何かが壊れてしまったと思いました。

普段、喧嘩をするような自分では無い事はよく分かっていました。

それでも押さえきれない怒りが、自分の中にあることに気づきました。





その怒りは兄と両親に感じていたものだったのでしょう。




不当な暴力。

不当な暴言。

不当な家庭環境。





それらに無意識の間に激しい怒りを感じていたのだと思います。

その時には兄からの暴力と暴言は全くありませんでした。

理由はとても簡単で、僕の方が強くなっていたから報復を恐れて何もしてこなかった、してこれなかったのでしょう。

両親からの暴力も同じ理由から無くなりました。






しかし両親の不仲は未だに続いていました。




酒を呑み、荒れる姿は高校生の僕から見たら本当に滑稽なものでした。

こんな人間になりたくないと、心の底から軽蔑していました。

両親への怒りは激しく燃え上がりました。






そんなある日の事でした。




いつものように酒に酔い、両親はリビングで口論をしていました。

もちろん、僕ら子供は自分の部屋で知らん顔していました。

すると、リビングから大声で母親が僕らを呼びました。





「大事な話があるから来て!!!!」




酒に酔って何が大事な話だよ、と思いました。

そして兄弟三人がリビングへ集まると母親は言いました。





「明日、離婚届だしてコイツと別れるからどっちに付いてくか選びな!!」




僕はとても冷静でした。

どうせ明日には覚えてないんだろう?

酒に酔って、絡んで、騒いで、あげくには子供にまで負担を掛けようとする。





その時からコイツは母親じゃなくてただのアル中で最低な女だと思いました。





「あっそ。」




素っ気無い返事をして、僕は部屋に戻りました。

そして、翌日にコイツにその言葉の重みを痛感させてやる、と思っていました。





そして朝になりました。




いつものように何も覚えていない母親に向かって僕は言いました。






「離婚するんだろ?さっさとしてくれよ。こんな家に居たくねぇんだよ!俺はどっちにも付いてかねぇから施設にでも放り込んでくれ。」













母親はただ呆然と立ち尽くしていました。