2007年8月27日月曜日

消える前の灯火

その日の夜でした。

僕は両親に虐待の事を話しました。




なぜ虐待したのか、知りたかった。

なぜ長男からの暴力を見てみぬ振りをしたのか知りたかった。



ただ、それだけだったんです。

そして夕飯で家族全員が揃った時でした。




「なんで虐待しながら育てたんだよ?あんな扱いするぐらいなら産まなきゃ良かっただろ?」



それから話は始まりました。

そして母親は思いがけない言葉を口にしました。





「虐待?何の話?そんな事してないし、あんたの勘違いだよ。」




体の芯から怒りが吹き出ました。

子どもを殴り、アイロンで肌を焼き、気に食わないと食事すら作らなかった母親が虐待をしていないだと?

中学生がお小遣いを貰うために土下座する必要がある家庭が正常だとでも思っているのか?





怒りは僕を完膚なきまでに叩きのめしました。



何を言っても無駄だと、悟りました。

この人の中では虐待なんかじゃなく、普通に育てたつもりなのだと。




そして話は長男の暴力にも及びました。





「なんで俺を殴り続ける必要があったの?殺すつもりだったの?」



長男はただ黙っていました。

でも、顔ですぐに何を思っているのかはわかりました。




申し訳無いと、悲痛に顔を歪める長男。



彼には解かっていたのかもしれません。

どんな謝罪の言葉も何の意味を持たないことを。

どんな行動でも償えるような傷ではないことを。

だから黙っていることしか出来なかったのでしょう。













沈黙の夕食が終わり、僕はある決心を行動に移す事にしました。