2007年9月24日月曜日

最後の自殺未遂

僕は・・・心に決めていたことがありました。

親、長男と話が終わったら死ぬ事。

もう何も思い残す事は無いし、生きていたくない。

生きていて感じるのは負の感情だけ。






辛い、悲しい、苦しい。





涙も出ない程、負の感情に麻痺した心。

その心で生きていくには、僕の心は弱過ぎました。

未来なんて想像出来なかったし、したくもなかった。

だから、死のうと決めていたんです。







深夜二時、僕は団地の屋上に一人で行きました。





一番思い出の詰まった場所に。

一番辛い思いをしながら、生き抜いた場所に。

屋上の端っこに立って、深呼吸しました。

息は白く、空へ上がっていきました。







「ここから落ちれば・・・全部終わる。」






ポツリ、そう言って飛び降りるつもりでした。

死ぬ事には恐怖よりも期待をしていました。

だから、足を出すのは怖くなかった。

最後の一歩を踏み出そうとした瞬間でした。







友達の顔が一つ一つ浮かんで来ました。





みんな、家庭で辛い思いをした友達の顔でした。

その友達の笑顔ばかりが浮かんできたんです。

僕は屋上の端っこにチョコンと座りました。

足はブラブラ宙に浮いたまま。

浮かんでくる友達の顔を死ぬ前に見ていたかった。

しばらく座っていました。

死ぬ前だから思い残さないように・・・。

死ぬ前にみんなの顔を見ておこうと思って・・・。






でも、友達の顔が消える事はありませんでした。





涙がポロポロ零れていきました。

冬だったせいか、涙はすぐ氷のように冷たくなっていきました。

でも、出てくる涙は暖かくて、それが止まる事は無くて。







「死にたいのに・・・。」







泣きながら、ただ一言だけ、そう呟きました。

死にたいのに。

もう嫌なんだ。

腕を刻まなければ生きて行けない弱い自分が。

過去に縛られて身動きが取れない自分が。

作り笑いをし続ける愚かな自分が。

普通の人が普通にしている事が出来ない自分が。

体だけ生きている苦痛を味わう事が。

感情が死んでしまった心で生きていく事が。

こんなに死にたいのに、友達がそうさせてくれない。








友達に会いたい。






みんなに会いたい。

明日生きていても同じ辛さを味わうだけなのに。

そんな簡単な事は解かっているのに。






みんなに会いたい、ただ、会いたい。





何も話さなくて良いから。

何もしてもらわなくて良いから。

隣りにいてくれるだけで良いから。






そう思うと屋上から地面へ涙の粒がポロポロ落ちていくんです。







どれぐらい時間が経ったのか、解かりません。

気が付くと朝日が出始めていました。

団地は少しずつ朝を向かえ、人も少しずつ動き始めました。

自然と屋上から離れたくなって。

僕の最後の自殺未遂が終わりました。













まだ自分の心が壊れている事に気づくほど、冷静ではありませんでした。