2007年12月17日月曜日

慣性

気が付くと、顔は涙で濡れていました。

いくら泣こうと思っても泣けなかったのに。








自分の中で癒されないままでいる小さい子どもを見つけてあげる事。








それは自分が思ったよりも、傷を癒したようです。

しかし、そのまますんなりと癒していけるわけではありませんでした。







心は全力で抵抗を始めました。






自分の感情を出すことを極端に嫌っていた心が激しく動きました。

それは人生を掛けて手に入れた最後の鎧。

心の中の最後の防波堤。

誰も心に入れない代わりに、自分はこれ以上傷つかないようにと本能が仕組んだものでした。








涙なんて流したって何の意味も無い。








一人で泣けば良いとでも思っているのか?

そうやって傷ついた自分を演じて楽しんでいるんだろ?

下らない。

本当に下らないよ。








涙はすぐに途切れ、顔はいつものように無表情になりました。







確実に自分の中に二人の人間が居ました。

必死で自分を守ろうとする自分。

必死で自分を傷つけようとする自分。








そんな混乱した状態はとても恐ろしいものでした。







自分が誰だか解からない。

何が本心か解からない。

記憶がすぐに無くなる。








アームカットをしている時だけは、自分は一人だったと思います。







流れる血が僕を強制的に落ち着かせた。

いつもの通り痛みは無い。

血だらけの腕を見ながら、ただボーっとしていました。













癒しなんて、平穏なんて永遠に僕には来ないもののように感じていました。