気が付くと、顔は涙で濡れていました。
いくら泣こうと思っても泣けなかったのに。
自分の中で癒されないままでいる小さい子どもを見つけてあげる事。
それは自分が思ったよりも、傷を癒したようです。
しかし、そのまますんなりと癒していけるわけではありませんでした。
心は全力で抵抗を始めました。
自分の感情を出すことを極端に嫌っていた心が激しく動きました。
それは人生を掛けて手に入れた最後の鎧。
心の中の最後の防波堤。
誰も心に入れない代わりに、自分はこれ以上傷つかないようにと本能が仕組んだものでした。
涙なんて流したって何の意味も無い。
一人で泣けば良いとでも思っているのか?
そうやって傷ついた自分を演じて楽しんでいるんだろ?
下らない。
本当に下らないよ。
涙はすぐに途切れ、顔はいつものように無表情になりました。
確実に自分の中に二人の人間が居ました。
必死で自分を守ろうとする自分。
必死で自分を傷つけようとする自分。
そんな混乱した状態はとても恐ろしいものでした。
自分が誰だか解からない。
何が本心か解からない。
記憶がすぐに無くなる。
アームカットをしている時だけは、自分は一人だったと思います。
流れる血が僕を強制的に落ち着かせた。
いつもの通り痛みは無い。
血だらけの腕を見ながら、ただボーっとしていました。
癒しなんて、平穏なんて永遠に僕には来ないもののように感じていました。
2007年12月16日日曜日
心の欠片
心の声が頭の中に響き始めました。
自然と僕は目を閉じていました。
まぶたにあの頃の自分が浮かんできました。
10歳ぐらいの時の自分でした。
顔が腫れ上がり、体の見える部分はアザだらけの自分が。
そして、その子は聞き取れないような小さな声で言ったんです。
「痛いよ・・・。」
痛い・・・?
痛いの?
見た目だけ見れば確かに痛いと言っても不思議ではなかった。
でも、「痛み」というものから僕は長い間遠ざかっていました。
だから痛いという言葉が心には入ってこなかった。
その病気の名前は無痛症。
長い間、暴力の下で生きていた僕は痛みを普通に感じていたら生きてなんていけなかった。
体が、本能が僕を生かすために痛覚を鈍らせたんです。
長男や両親の暴力は僕の体と心を破壊してしまったようです。
虐待児には珍しくない症状のようです。
でも、誰だって殴られれば痛いはず。
僕の心が「普通」の事を言うなんて考えられなかったのでしょう。
それでも、やっと聞こえた心の声を大事にしようと思いました。
思い込むかのように僕は痛かったんだ、と言い聞かせました。
それは一日とか、そんな短い期間では無く今も続けています。
毎日、一回はあの頃を思い出し痛かったのだ、と言い聞かせる。
心の声を無視すれば、もう話してくれなくなるかもしれないから。
だから自分の心に正直にいようと思ったんです。
そして、あの頃の自分が一番して欲しかった事をしようと思いました。
その小さい子どもを抱きしめました。
もちろん、現実には居ないわけですから気持ちだけになりますが。
それでも、その感覚は現実とさほど変わらない程リアルだった。
子どもは抱きしめ返してきました。
目に一杯の涙を浮かべながら。
その目は腫れていてほとんどあいていなかったけれど。
そして涙がゆっくり、彼の頬を伝いました。
目をあけると僕の頬は涙で濡れていました。
自然と僕は目を閉じていました。
まぶたにあの頃の自分が浮かんできました。
10歳ぐらいの時の自分でした。
顔が腫れ上がり、体の見える部分はアザだらけの自分が。
そして、その子は聞き取れないような小さな声で言ったんです。
「痛いよ・・・。」
痛い・・・?
痛いの?
見た目だけ見れば確かに痛いと言っても不思議ではなかった。
でも、「痛み」というものから僕は長い間遠ざかっていました。
だから痛いという言葉が心には入ってこなかった。
その病気の名前は無痛症。
長い間、暴力の下で生きていた僕は痛みを普通に感じていたら生きてなんていけなかった。
体が、本能が僕を生かすために痛覚を鈍らせたんです。
長男や両親の暴力は僕の体と心を破壊してしまったようです。
虐待児には珍しくない症状のようです。
でも、誰だって殴られれば痛いはず。
僕の心が「普通」の事を言うなんて考えられなかったのでしょう。
それでも、やっと聞こえた心の声を大事にしようと思いました。
思い込むかのように僕は痛かったんだ、と言い聞かせました。
それは一日とか、そんな短い期間では無く今も続けています。
毎日、一回はあの頃を思い出し痛かったのだ、と言い聞かせる。
心の声を無視すれば、もう話してくれなくなるかもしれないから。
だから自分の心に正直にいようと思ったんです。
そして、あの頃の自分が一番して欲しかった事をしようと思いました。
その小さい子どもを抱きしめました。
もちろん、現実には居ないわけですから気持ちだけになりますが。
それでも、その感覚は現実とさほど変わらない程リアルだった。
子どもは抱きしめ返してきました。
目に一杯の涙を浮かべながら。
その目は腫れていてほとんどあいていなかったけれど。
そして涙がゆっくり、彼の頬を伝いました。
目をあけると僕の頬は涙で濡れていました。
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